2017年6月24日土曜日

文字をグラフィックとして使うデザイン

例えば英語やフランス語などの単語もしくは文章を
グラフィックとして使ったTシャツなんかはたくさんあって、
日本では多くの人が着ています。
で、あれは意味がわからないから、多くの人が平然と着ていると思うのですが、
もし意味がわかったら、それでも素敵なのでしょうか。そして着るのでしょうか。
これはいつも疑問に思います。

ひらがなだって、カタカナだって、グラフィックなデザインとして使えますが、
けれどもこれは流行らない。
ブランド名でもだめだと思います。
幾らルイ・ヴィトンやシャネルがいいからって、
バッグにカタカナで「シャネル」とか「ヴィトン」とかでかでかと書かれていたら、
それは買うのかしら?買わないでしょ。

古い書なんかを見ていると、
漢字もカタカナも非常に美しいグラフィックだとわかりますが、
でもそれが書かれた服を着るのだろうかと、
ときたま疑問に思います。

それで、きのうヨウジ・ヤマモトの2018年春夏のメンズコレクションを見ていたのですが、
日本語(その他の言語)がグラフィックとして使われていて、
ジャケットにゴシック体で「着る服 ないの」とか書かれていました。
ここまでは、まあありかなと思ったのですが・・・
どんどん見ていったら、とても素敵なブルーとグリーンのヴェルヴェットのスーツが出てきて、
素材が本当に素晴らしいのですけれども、
よく見るとそこには「下流老人」と書かれているのです。

なぜこんなに美しいヴェルヴェットの上に「下流老人」って入れてしまうのか。
どうして?どうして?
ついでに、ネクタイには「南無阿弥陀仏」と書いてある・・・うーん、浄土真宗?

やっぱり私たちは意味がわからないから
文字グラフィックのものを着ているのだと思いました。
思うというか、確信した。
(じゃあ、「大金持ち」だったらよかったのか?
それでも着ないと思うな・・・)

「下流老人」に打ちのめされたので、
今、アン・ドゥムルメステール(デザイナーはセバスチャン・ムニエ)を見ました。
心底ほっとした。癒された。
インスピレーションのもとはローバート・メープルソープだそうで、
あ、だからパティ・スミスみたいなのねと、そうなります。
(ロバート・メープルソープはゲイだけれども、若いころパティ・スミスと同棲していて、
非常に影響を受けています。
ファッションを読み説くときは、メープルソープって言ったら、パティ・スミスってすぐつながらないと、
意味がわからないのよ)

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