2017年4月27日木曜日

明治時代のハイパーミックス

横浜美術館で開催中の
ファッションとアート 麗しき東西交流展」へ行ってきました。
これが想像以上によくて、
示唆に富んだよい展覧会でした。

明治が始まるちょっと前からの展示なのですが、
横浜が貿易の拠点だったということもあり、
日本から生地や室内着が輸出されていた、
というところから展示はスタートします。
ここから明治に入って、急速に西洋の文化を吸収していくわけですが、
明治30年になると、もう立派なドレスが作れているから驚きです。
生地や刺繍の技術は日本にもあったと思うのですけれども、
パターンと縫製はどうしたのでしょうか?
それについては特に記述はありませんでした。

面白いのは着物と洋装のハイパーミックス。
着物の下にスタンドカラーのチェックのシャツを着て、
足元は靴。着物も柄ものです。
柄と柄、多色、しかも文化をミックスって、
それは現在のハイパーミックスと同じではないですか!
そんな浮世絵が何点かあり、
そのほかにも着物にリボンとネックレスとか、
どんどん取り入れていく貪欲さが面白い。
考えたら、着物だって、呉服ですから、輸入物です。
それが西洋にかわったってだけですから、
同じと言えば同じ。

この展示、西洋のアールヌーボーからアールデコにかけてのものも何点か展示されていて、
ポール・ポワレ、ヴィオネ、そしてフォルチュニュイのドレスなど、
服飾史に出てくるドレスの実物が展示されています。
シャネルも1点展示されていましたけれども、
クオリティや価値の高さはポワレ、ヴィオネ、そしてフォルチュニュイです。
(シャネルは有名だけれども、この展示の中では見劣りする)

ティファニーやラリックなんかもあって、
アールヌーボーとアールデコ、そして日本の刺繍や装飾との
全く違和感のない融合の姿を見ることができます。

これを見ていて思ったのは、
こんな過去があるのだから、必ずこの上には発展の道はあるということ。
ただ今は、随分とずれている。
この時代、一生懸命に考えたり、作ったり、着たりしていた人たちが、
150年後はもっと素敵なはずねと思って、
いきなり現在の渋谷の交差点につれてこられたら、
「あれ?想像してたのと違う・・・」と思うでしょう。

展示を見た後、
そのまま、横浜の洋館が点在しているエリアに行きました。
すると、あの時代の人たちのリアリティをはっきりと感じることができました。
あれを本当にここで着ていたのだと。
そして日々、美しく暮らすために、みんながあれこれ工夫していたのだと。
衣食住そろって、その上でおしゃれなんだと。

今ちょうど横浜市が街の緑化フェアをしていて、
至るところに花が植えられて、街全体がカラフルです。
毎日こんなだったら、さぞや着るものも変わるでしょう。
なぜならシーンがそうだから。

街が美しくて、住まいが美しくて、それで人の装いも美しくなるのかなと、
なんだか当たり前のことを感じた1日でした。

時間がある方は是非、行ってみてください。
そして、写真の常設展示の中にあるタルボットの「レイコック・アビ―」は必ず見ること。
写真の歴史上、重要な写真です。何気なく展示してあるから、知らない人はスル―しそうでした。



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