2017年3月11日土曜日

あれから6年


あれから6年ですね。
あの日も寒い日で、
ストーブを消して、
家の中でダウンコートを着たのをはっきりと覚えています。
世界も自分もいろいろ変わってしまって、
もう元へは戻れません。

壊れたものを見ないようにしても、
しょせんそれは無理なこと。
土台はもうぐらぐらなことでしょう。
いまだに揺れている人をよく見ます。

その揺れた土台にはもう何も建設することができないのに。

あのときから作り直した人たちは
今、新しいものを、それはまだ小さいけれども、建設中です。
けれども、その亀裂を見なかったことにして、
小さな当て布で繕っただけの人たちは、
今にも崩壊しそうで揺らいでいます。
あと一つパーツが取り除かれてしまえば、
崩れ落ちてしまうほどに。

ディオールのマリア・グラツィア・キウリのデザインの春夏コレクションが売り出されていて、
興味深く見ていたのですが、
そこにはタロットカードの図柄を描いたスカーフと小さなバッグのシリーズがありました。

選ばれた図柄も運命の輪、星、太陽、世界など、
いかにも楽しげなもののほかに、
悪魔と塔があります。

塔は、日本人にはなじみがないかもしれませんが、
雷に打たれて塔が崩れている図像です。
アイデンティティ崩壊のシンボルでもあります。
こんな図柄をわざわざ売るというのが面白い。

マリアは、もしかして、
「ねえ、あなたが今まで築いてきたその塔は、
雷に打たれてもう崩壊しているんだけど、
気づかないのかしら?」と
言っているのかもしれません。

塔が崩壊してしまったと気づいている皆さんは、
それぞれの場所で、新しい塔の建設に取り組みましょう。

☆ 画像をディオール様よりお借りしました。こんな柄なのよね。みんな、買うかしら?