2016年10月16日日曜日

star-crossed lovers

今年の前半は、シェイクスピアについてのオペラを見たり、聞いたり、
そしてもちろん、シェイクスピアの戯曲自体も読み返したりしていました。
その中で、改めて「ロミオとジュリエット」について理解しようと思って、
原文に当たっていたのです。
というのも、私がやる解説では、なるべくウィキや検索ですぐ出てこないことを話そうと
思っていたからです。
「ロミオとジュリエット」のお芝居の冒頭、口上役が出てきて、
面白いことを言います。
この物語は、ロミオとジュリエットというstar-crossed loversについての物語だと。

この表現、日本語に訳された時点では、「不運な」という、
月並みな表現にかわってしまっています。
しかし原文では、星が遮った、星が邪魔した恋人たちです。
なぜ星が?

シェイクスピアはガリレオ・ガリレイと同じ年に生まれたと言われています。
ガリレオ・ガリレイといえば、天文学で有名ですが、
ルネッサンス期の天文学というのはイコール占星術です。
天文学と占星術に区別はありません。
ルネッサンスの時代、星とは、運命をつかさどるものというのが、
当時の常識なのです。

ルネッサンス当時、冥王星なんかは発見されていませんから、
最も凶星は土星。
シェイクスピアの「十二夜」にも、「おれは土星のもとに生まれた」というせりふが出てきます。
もちろん、デューラーの「メランコリア」という絵でも、
悩む天使が土星のとともに描かれているのは皆、知っていたのでしょう。
つまり、ロミオとジュリエットとは、土星という凶星のもとで生まれたんで、
不運な恋人たちだ、と言っているのです。

こういうことがわかったり、知ったりするのがとても面白いのですが、
これができるようになるには、
やはり1つの専門だけではなかなかわからないわけで、
シェイクスピアを理解するためには、
美術から、占星術から、ハーブや花の名前についてやら、
いろいろ知っていたほうが、
立体的に理解できるようになります。

結局、この厚みの差なのかなと。
ルネッサンスやらバロック、ロココを取り入れてくる
グッチのアレッサンドロ・ミケーレを見るにつけ、
ここまでわかっているかどうかで、ものすごい差ができてしまったなと、
思う秋の午後でした。



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