2016年10月28日金曜日

「ファッションのお仕事をしたいのだけれども、どうでしょうか」というご質問

きのういらしたクライアントさんのお知り合いの高校二年生が、
ファッションを仕事にしたいから、その勉強をしたいけれども、
どうなのでしょうかというご質問をいただきました。
ちなみに、その方はお裁縫もしないし、デザイン画もかかないんだそうです。

ファッションに限らず、その仕事を目指すかどうかは、
2つの点から考える必要があると思います。

まずは自分が好きかどうか。
きのう、自分のことを聞かれてお答えしたのですが、
私は小さいころから、うちに大量にあった「レントゲンの紙」という薄黄色い紙に、
いつも女の子と洋服の絵をかいていたのでした。
その後、中学で演劇部になったときから、演劇部での衣装デザインと衣装作りが始まりました。
その一方で、中学に入ったころから、アンアンかノンノを買ってもらっていました。
高校に上がり、また演劇部に入ったので、そこでも衣装デザインと衣装作りをし続けました。

大学では、シェイクスピア研究会に入ったので、そこでまた衣装デザインが始まったのですが、
このときの衣装は、シェイクスピア劇の衣装だったので、けっこう凝っていまして、
パターンが欲しくて初めて「装苑」を買ったのもこのころです。
そこで見た、ビスチエとブラウスのデザインを応用して、衣装を作ったりしていました。
しかし、ここまでで、別にファッションを仕事にしようとは思っていませんでした。
衣装デザイナーには憧れていましたけれども、学校が違いすぎるし、などと思っていました。

しかし、大学時代に、卒業生調査というものをして、半分の卒業生が卒業3年以内に
初めの会社を辞めていること、
友達から「事務に未来はない」と言われたことをきっかけに、
専門職につかなければ、という思いが出てきました。
その結果、結局、ブンカに行くことになって、アパレル業界に就職したわけです。
ここまででわかるのは、やはり長いこと好きでいられて、
実際にデザインを考えたり、作ったりといった、行動をしていること。
これがないと、続けるには弱いかなと思います。

そしてもう一つ、そのときの社会情勢というものを考える必要があると思います。
統計を見ればすぐわかりますが、
ここ数年、毎年、たくさんのアパレル企業が倒産しています。
これは統計があるかどうかわかりませんが、アパレル企業の離職率も高いと思います。
そして賃金の問題です。
私は、いわゆる一部上場企業にいたのですが、「40過ぎても一人暮らしできない収入」だと、
入ってから言われました。
円高の影響で、インポートも、私が働いていたころより多く入ってきていて、
需要と供給の関係では、明らかに供給過剰です。
日本において、アパレル産業はこれからどうなるか、
明るい展望があるのかどうか、考えたほうがよいのです。
これは、好きだけでは乗り越えられません。

ただ、服だけではなく、その周辺の服飾雑貨まで考えると、
例えば靴下の「Ayame」さんとかは、個人でやっていて、海外の展示会に出展したりしていますから、できないことはありません。ただ、これはこれで簡単ではないでしょう。
自力で海外のバイヤーと交渉して、そこへ卸すのですから。

そんな感じで、好きで長く続けられるのかどうか、
そして、リアルな現状はどうなのか、
この2つの点から考えて、
その上でどうするか決めるとよいと思います。
それと、自分はどういうライフスタイルの人生を送りたいか、でしょうね。

私は長時間労働で、月に5日しか休みがなく、家にほとんどいない、
友達にも会えない、映画もライブも美術館も本屋も行けない、
もちろん旅行にも行けない、そんな生活は嫌だと思って、
普通のアパレル業界には二度と戻らないと決意してしまいましたから。
(前にも書いたけれども、夏休みは3日以上連続でとったらいけないと言われましたから!)

そんな感じですので、参考にしてくださいませ。

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