2016年8月5日金曜日

映画の衣装に見る主人公の心象風景

きのう、宮沢りえさん主演の「紙の月」を遅ればせながら、見ました。
その中で、主人公の心象をあらわすものとして、
衣装が印象的に使われていたので、
紹介します。

持家に住み、夫は商社マンらしく、
子供はいないけれども、恵まれた生活をしている41歳の主人公の主婦は、
銀行に勤め始めます。
内勤ではなくて、外へ出て、定期だ、国債だを売って歩くのですが、
その途中で出会った、顧客のおじいさんの孫の大学生と、性的な関係を持ち始めます。
そこで、です。
この主人公、美人なのですが、自分に魅力がないと思っているのか、
お金で彼をキープしようとします。

この主人公は、最初、化粧気のない顔で、真っ黒のストレートの変形ボブ、
いつもグレーから黒い服装をしています。
それが大学生男子と出会って、関係を持つようになると、
真っ白いコートを買って着るようになるのです。
まずは真っ白いコート、
そして、フューシャピンクのニットや、黄色いニットを着始めます。
大学生男子を付き合って、人生が楽しくなってくると、
着るものにも色がついてきます。
映画なので、それまでの地味な服装の対比として、
色がついた衣装が出てきますから、
強調されていますが、これは女性の心理的変化をわかりやすく衣装で表現しているなと
思いました。

女の人って、人生が楽しくなると、色がついた服を着たくなるのかもしれません。
逆に、いつも白黒のモノトーンというのは、
生活自体がモノクロ映画みたいで、
そこにはうれしい、楽しいというカラフルな感情は少なめです。
そういう感情が少ないと、カラフルなものは選べない、
選びたくない、そんな感じでしょうか。

さて、映画自体の感想です。
主人公は銀行のお金をどんどん着服していき、
男子大学生に貢ぎます。
(しかも、この男子大学生のどこがいいのかさっぱりわからない。
若いというだけで、肉体が魅力的でもなさそうだし・・・)

この主人公、何か買ってあげる、モノをあげることで喜んでもらうことに、
自己価値を見出しているのです。
それも、高いものをあげたほうがより一層喜んでもらえると思っているようです。
なんでそんなに自己価値が低いかは、描かれていません。
41歳で男子大学生と付き合うには、こちらからお金を出さなければ、
という程度です。
そんな人に共感はできませんでしたし、
その自己価値の低さの原因が描かれていないので、同情のしようもありません。
そのせいか、何とも後味が悪い。

お金と男におぼれていく欲望の塊の人。
そのためには、自分の周囲の人をだまし、犯罪をも犯す、悪魔に魂を売った人の話で、
共感するところはゼロでした。
見なくても、よかった・・・。

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