2016年3月14日月曜日

経済成長はもうない

多くの人が言っていることですが、
いま以上の経済成長はもうないでしょう。
(個人の経済状況、ということではなく)
現代の経済の発展は、おもに周縁に勢力を広げ、
そこの労働力や物資を安く調達し、自国、または自国と同等の経済力を持つエリアに
売ることで大きくなってきました。
これはアパレルで見るとよくわかります。

日本以外の、それは世界経済の位置づけの中で、労働力が安い国、
例えば中国やベトナム、インド、その他ですが、
そこで日本では考えられないような安い労働力で、
日本と同等またはそれ以上のクオリティのものを生産させ、
それを日本に持ち帰り、高く売るというシステムです。
工賃や原価が安いので、自国で作った場合との差額が大きな収益を生み出します。

しかし、周縁地域はいつまでも安い労働力の国やエリアではありません。
それは成長しますし、またほかの貪欲な経済国に、同じように使われます。
そうして、企業は他の開発すべき地域、要は安い労働力を探して回ります。

しかし、すっかりどこにもそれがなくなったここ数年、
企業が安い周縁と位置付けたのが女性であり若者でした。
女性を安い労働力として使い、収益を上げるやり方です。
この手法は長いこと使われてきました。
同じ国に住んでいながら、扱いは第三世界並みということです。

アパレル業界は、20年以上も前から、このシステムを採用してきました。
先進国の使う側は一部のデザイナーや経営者のみ、
残りの多くの女性従業員を周縁の安い労働力とみなしたのです。

そうすると、アパレル業界は内部に矛盾を抱えることになります。
どういうことかというと、そこで働いている人たちは、自分たちが作っているものを
定価では買えないのです。
例えば私の例で言いますと、20代後半で手取が13万円ほどでした。
(100時間近く残業していたと思いますが、残業代は一切支払われません)
それで作っている服の単価ですが、
私の記憶だと、例えばジャケットに4万4000円、パンツやスカートに2万2000円などという
値段がつけられていました。
手取13万の人が、こんな服を買うわけがありません。
これは今現在の、中国でコーチやアニヤ・ハインドマーチのバッグを作っている労働者が、
そのバッグを買うことができないのと同じことです。

大体その当時でも、13万円では一人暮らしができません。
そしてそれは40過ぎても変わらないと言われました。
(ちなみに、この恐るべきブラック企業の名称のヒントを言うと、
2020年のオリンピック開催都市の名前に、「スタイル」を足したものです。
絶対買ってはいけませんよ)

これが今、日本国内の多くの分野で起こっています。
自動車会社の派遣会社は自分が作っている自動車を買うことはできないでしょう。
住宅会社の派遣社員や契約社員も同様です。

このことは、私もアパレル会社に勤めていた当時、思いました。
ターゲットは「働く女性」とか言いながらも、
当の自社の正社員の女性は買えないのです。
なんという自己矛盾、ばかばかしい。

このばかばかしさを、誰も是正せず、むしろ推進してきたのが今までの約30年です。
そしてもうこれは限界まで達しました。
経済成長はもうありません。

そうなると、ファッションも変わらざるを得ないでしょう。
大金持ちがコレクションの服を毎回100着買ったとしても、
それを着る身体は1つです。
何千足の靴を買っても、足は2つだけ。
バッグをたくさん持ったところ、持てるのはせいぜい2個か3個。
その一方で、作る側の人間がそれを買えないという矛盾。
これが破たんしたとき、ファッションはどうなるのか。
残念ながら、それはまだ見えてきませんが、
1つあり得るなと思うのは、
統一の流行はなくなっていくだろう、ということ。
今でもだんだん、流行は解体されつつあります。
新聞や雑誌が売れなくなり、
それぞれがネットで好きな情報を拾っていく世界になると、
多くの人を1つの方向に向かわせるのは困難です。
すると、もう大きな流行は生まれにくい。

今は前の制度の最後のとき。
もう少したったら、大きく変わってしまうでしょう。
もう少しの辛抱です。


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