2014年9月10日水曜日

教育を買うカスタマー

このところ、内田樹先生の著書をたくさん読んでいて、
(先生のご意見に全部賛成できるわけじゃありませんが)、
先生が何度も繰り返して言っている、
教育の株式会社化現象の弊害について、なかなか私にはピンとこなかったのですが、
このあいだ、ふと、あ、あのことだという事件があったことを思い出しました。

マチルダからインテグレート・ヒーリングを習ったときのこと。
資料として使うチャートブックについて、
一部の受講生のあいだで問題になりました。
というのも、そこに並べられている文言が、
私たちが使う目標設定の言葉としてはふさわしくないのではないか、
と彼らは言うのです。

私は、この人たち、何をもめているんだろう?と思って観察していました。
だって、その本はそもそもIHのために作られたものでも、
マチルダが作成したものではないのですから、
ぴったり当てはまるわけありません。
あくまで参考資料なのだから、そこは自分で工夫して使わないといけない。
そんなのちょっと考えたらわかることじゃないのかなと、
思ったのでした。

彼らが言いたいのは、
ぴったりそのまま使える言葉でないのは、
不具合だというわけなんです。
しかも、もめていた彼らは、その前の月に前半部分を習ったばかりの人たちで、
ほとんど自分でセッションをしていないはず。
やってみてわかったことを言っているのではなくて、
やる前から文句を言っています。

私のすぐ近くでもめていたものですから、
思わず、その本を使って何回もセッションしたのかどうか聞いたら、
してないと言います。
で、私が、
「どっちにしろ、その本はそのまま使えない言葉のほうがむしろ多いですよ」
と言ったら、
その中の1人がこう言いました。
「だったら、全部使えるようにすべきじゃないですか?」

その言葉を聞いて、私は絶句しました。
言いたいことの意図がよくわからなかったのです。
だけれども、今はわかります。
言ったその人は、自分をその教育を買うカスタマーであると認識していたのです。
つまり、買って帰って、あけてみて、
すぐ使えない付属品は不良品であるから、
すぐに対処するか、交換すべきである、
そういう理屈で言っていたのです。

少なくとも、大学レベルの教育の場で、
そんなことを言う人はいないと思います。
だって、そんなことを言っていたら、本当の勉強にならない。
ブンカのように、モノづくりを教えるところや、
アート関係の学校でも、そんなことを言う人はいないでしょう。
なぜなら、教わったものをそのまま自分でやったところで、
それでは何の実力にも評価にもならないから。

私の中では、彼(男性でした)が言ったその言葉がなぜかずっと引っかかっていました。
なんだろう、あの当然だという変な態度、意味がわからないと思っていたのですが、
あれはクレイマーの態度だったのです。
自分は消費者なのだから、不具合についてクレームを言うのは当然だというわけです。

で、そういう人、その後どうなったのか気になりますよね。
はたして、カスタマーとして教育を買った人は、
帰ってから、付属のキットがそのまま使えないと知って、
どうしているのだろうかと。
その後、彼と会ったという人に聞いたところ、
4月ぐらいには、もうIHのセッションはやめたということでした。
2月に買って、不具合があったので、4月で使うのはやめた、
みたいな感じなのかな。

勉強もアートも、ヒーリングだって、
みんなクリエイティブな行為。
カスタマーの態度でいたら、
クリエイティブは無理。
買ったものを組み立てるだけじゃないですもの。

で、その彼は早速次のお買いものをしているそうです。
次はいいお買い物ができるといいですね。


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