2014年3月19日水曜日

全身黒は楽なんだ

きのう、SARTORIALISTの記事を読んでいたら、
ファッション・ピープルがやっているような全身黒ファッションより、
色、素材、パターンのミックスのほうがずっと面白くない?
というようなことが書かれてありました。
実際そのとおりで、全身黒よりも、色を使う方がずっと難易度が高いし、
それは面白いし、楽しいです。

黒をすべて排除する必要はないと思いますが、
とりあえず全身黒という装いは、逆に、お手軽な感じがします。
なぜなら色について考えていないから。

そういう私も、アパレル業界に勤めていたときは、
ときたま全身黒い格好で仕事をしていました。
あれはなぜなのかなと考えたら、理由は楽だからなんです。
とにかくファッション業界というものは、時間を拘束されます。
忙しいというのとは違うのです。
とにかく、自由時間を奪っていくのです、組織が。
あのころの私のやりたいことの第一は寝たい、だけでした。
とにかくいつも眠くて眠くて、1分でも長く寝ていたいのです。
日曜日は、朝起きて、朝御飯を食べて、 それから寝て、
また食べて、寝てと、それしかやっていませんでした。
そうなると、服の組み合わせを考えている時間さえ、もったいないのです。
そんなこと考える時間に、寝ていたかった。
となると、全身黒は何も考えなくてよくて、とても楽なのでした。
買い物も、毎日のコーディネイトも。
制服みたいなものでしょうか。

世界じゅうのファッション業界の人が、みんなこんな環境で仕事をしているとは思えませんが、
としたら、最悪なわけですが、
少なからず、全身黒の装いには、楽だからというのがあるのではないかと思います。

色のことを考えたら、それは大変です。
特に色に対する感性が鋭くなればなるほど、
ほんのちょっとしたトーンの違いも我慢できなくなりますから。
絵具ではないので、思うとおりの色の服をそろえることもできませんし。


色は難しいです。
特定の色の生地を求めて、1日、日暮里を歩き回っても、それでも見つかりませんでした。
全身黒の人たちは、あのころ、そんなことはしていなかったのでしょう。
黒ばかりの服を売っていたブランドの、あのころの興隆、そしてその後の衰退を見るにつけ、
どちらを選ぶべきだったかは、明らかだと思います。

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