2013年6月6日木曜日

洋服の値段の付け方

一年じゅうどこかで何かのセールをやっていて、
ファッションは、もはや定価で売られる期間がほんの少しになってしまいました。
昔は、たとえばアニエス・ベーはセールをしないとか言っていましたが、
今ではやっていますし。
洋服や、そのほかファッション関連の値段の付け方って、
どうなってるのと、相変わらず思います。

昔、わたしがアパレル業界にいたころ、
ほんとうに、信じられないような値段の付け方を、
マーチャンダイザーと呼ばれる人がしていました。
今でも忘れないのですが、
彼はいつもズボンの後ろポケットに財布を入れていて、
そのポケット口の布がもうすり切れていました。
そして、朝ごはんは食べてこないで、会社に着くと、
部下がおやつの時間用にお金を集めて買ってあるお菓子の棚をあけ、
そこから勝手にせんべいやら何やら食べるのです。
ときたま、奥さんから会社に電話が入り、
何やらもめているようで、
あるときなど、
そのマーチャンダイザーから、今日は会社を風邪で休みますという連絡があったにもかかわらず、
奥さんから会社に、旦那を出してくれと電話がかかってきたりして、
いったい、どこで何をしているやら、おかしな行動の多い人でした。

そんな彼が値段をつけるのです。
コットンの裏地がないジャケット、4万5000円とか言うのです。
しかも、それはとんでもなく変な柄で、
生地自体の材質も特別なものではなく、
そこらの生地屋さんで売っているレベル。
その値段でいったい誰が買うのでしょうか?
もちろんそこで働いている人たちは、そんな高いジャケットを買えるお給料はもらっていません。
かといって、キャリア・ウーマンが着るような服でもありません。
その4万5000円という価格は、
完全に気分でつけた値段で、
原価も工賃も何も全然関係ないのです。
しかも、そいつ一人の考えでつけたもの。
そんなのが通っちゃうアパレル業界って、
ほかの原価をちゃんと考えて売っている業界に比べたら、
異常というしかないでしょう。

もちろん中には、ちゃんと原価がいくらで、工賃がいくらで、
だからうちはこのぐらい、とやっているメーカーさんもいると思いますが、
そうでないところが混ざっているのも事実。

今は、外国生産のものがふえましたから、
工賃はもっとあやしいです。

もうすぐセールの季節がやってきますが、
半額で売っても、まだ利益が出るわけですから、
よっぽどのものでないと、定価で買う気は起こりません。
よっぽどのものが、ないことはないですけど。

洋服に関しては、値段ではいい悪いが判断できないので、
見極めるのは難しいと思います。

ただまじめに作っているところや、
丁寧な手仕事のものには、それに見合う対価を支払いたいなと思います。
なんでも安ければいいというわけじゃなくて、
仕事に対する公平な対価は守られないとね。

この2つのバランスをうまくとりながら、お買い物はしたいものです。