2013年5月5日日曜日

遠くに行かなくても


例年のことなのですが、
ゴールデンウィークは江ノ島、鎌倉には近づかないことにしています。
理由は、あまりの混雑に身動きできなくなるほどなので。
近くに住んでいるので、わざわざ今の時期に出かける必要はありません。
というわけで、午前中、時間があったので、近くをお散歩。
すごくいい天気だったのですが、案外、人は少なく、お決まりの散歩コースにも、歩いている人はまばら。
みんな、遠出しているのかな。
目的地は、隣の市の丘の上にあるパン屋さん。
ついこの間、そのパン屋さんの存在を知ったばかりだったので、行ってみることにしました。しかもそのパン屋さんは週2日しか開かないとのこと。
うちからそんなに遠くもないのに、初めて歩いてみるところは、
旅で訪れた知らない町を歩いているようで、
今、自分は旅をしているんだと思いこめば、
新鮮な気分を味わえます。
しかも、きのうはほんとうに人が出歩いてなかったので、なおさら旅気分です。

丘の上にあるので、最後は急な階段を何段ものぼって、やっとたどりつくと、
見晴らしのよさにびっくり。
視点が変わっただけで、今まで知っていた町の風景が一変しました。
自分の家の一部を店舗に改造した小さなパン屋さんは、買ったパンをお庭でいただくことができるということで、しばし休憩しました。
日常の中の小さな驚きは、こんなふうに視点を変えるだけで発見できます。
初めて訪れたパン屋さんに、隣町からやってきましたと声をかけるだけで、
お話は広がりますし、新しい何かを教えてもらえます。

むかし、外国旅行に行けるほどのお金がなくて、
もくもくとうちのまわりを散歩しながら、
「パリでなくても、ローマでなくても、今ここで見つけるんだ」と自分に言い聞かせ、
同じ道を何度も通っていたことを思い出します。
遠くに行けなくても、
想像力と観察眼があれば、同じぐらいの経験ができると、わたしは思っています。
住宅街を歩きながら、道路の脇に植えられて、
今、咲いている、目の前のバラの花に集中して入っていけば、
1つの花からすべてのことがわかる瞬間がやってきます。
たくさんとか、遠くとか、そういうことじゃない。
重要なのは、今ここの1つのことからどれだけ多くを受け取れるかという能力なんだと思います。
(もちろんそれは練習すれば習得できます)

☆写真:パン屋さんのお庭からのながめ。無料のお茶もありました。