2017年4月29日土曜日

靴の話を聞く

きのうは伊勢丹新宿店でヴァレンティノのお靴を売っていらっしゃる、
靴の専門家のクライアントさんにいろいろお靴の話をお伺いしました。

私は服の学校出身なので、
帽子を作る実習まではあるけれども
さすがに靴とバッグまではやらないのです。

それでまず靴の値段問題について再度確認。
「そんなのあってないようなもの」
というご回答をいただきました。
そうだよね。

そこで私は、
「1万円の靴と10万円の靴、どっちがいいとか、
なんでそういう質問になるのかな?」と聞いたところ、
案外、そういう質問をしてくる方は多いそうで、
その方たちが聞きたいのはつまり、
例えば3万円のヴァレンティノのビーチサンダルで、
どこでも行けるか、何にでも合わせていいか、
ということらしいのです。
「それはなぜ?」
と聞いたら、つまり高いから、ブランドだから、
だからビーチサンダルだろうとなんだろうと、
それでいいだろうと思っているということでした。
いやいや、それは違いますと、
ビーチサンダルはビーチサンダルですと、靴の専門家がおっしゃっていました。
「それはそうでしょうよ」と私も思いますということで、
私たちの意見は一致したのですけれども、
高ければそれでいい、ブランドだったらそれでいいと
多くの方が思っていらっしゃるのですね。
そんなわけない。

あと製造原価の話をしていて、
原価なんて、アイテムそれぞれで全部違うから、
原価率が高いから定価が高いってわけじゃないということで、
再び確認。
ヴァレンティノのTシャツは10万以上もするそうで、
どう考えたって、その原価は知れている。
Tシャツの最高級コットンを使ったって、
工賃を考えたって、そんなにいくわけないです。
つまり、原価率は商品によってそれぞれ違って、
値段というのはイメージとか、気分なのです、アパレルの場合。
とんでもない値段がついているものもあれば、
この原材料でこのクオリティで、この値段は安いよね、
というもの、両方あります。
なかなかそれを見分けるのは難しいけれども、
よいものをたくさん見ていけば、それなりにわかってきます。
何となくこれは変だなとか、いいなとか。
(余談ですけれども、
この見分ける能力は、ファッションだけではなく、
インテリアでも食器でも美術でも何でも、
いいものを見ていれば身につきますからね)

そしてそれから最近のファッションの傾向と対策について語り合い、
最後は、やっぱりブーツはニーハイだよね、
赤いニーハイ欲しいなで、
終わったのでした。

皆さんも靴を買うときは新宿伊勢丹の靴売り場にあるヴァレンティノへ行くように。
素敵なお方がアテンドしてくださいます。
(私もまだ買ったことないけど)


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2017年4月28日金曜日

なぜ着物は多色でも平気なのか

「どうして着物は多色使いでも変ではないのですか?」と、
クライアントさんに聞かれました。
着物の現場すべてを見たわけではないので、
これは推測ですけれども、
着物の生地、つまり反物の色出しは、
もう既にトーンが統一されているから、
ではないかと思います。
例えば京友禅なら、京友禅という枠の中でトーンが統一されていて、
その中にエミリオ・プッチのような、あの少し蛍光がかった、
色合いはないわけです。
同様に、ミキハウスみたいな、強い色合いも、
アフリカの民族衣装のような色合いもない。

もちろん作家によっては、
京友禅とは違うトーンが好みの人がいて、
その人が好きな範囲で色を出している方もいらっしゃるとは思いますけれども、
その場合は、きっとその作家ものですべてをそろえるほうが
きれいなのだと思います。
着物にもたくさんルールがありますから、
いきなり変な色合いになるということはないでしょう。

お花屋さんのブーケとか公園の植物の色合いを見ても、
美しいところと、ちょっと変なところとあります。
植物だからといって、どんな色合わせでもうまくいくというわけではなくて、
ちぐはぐなものもある。
そうするとおしゃれには見えないというのは、
これは服と同じ。

では、どうしたら色合わせが上手になりますかといったら、
それはいいもの、いい色合わせを見続ける以外、方法はないわけです。

着物の場合、そのほとんどが柄と柄の色合わせです。
あれもやっていけばわかるようになるでしょうけれども、
何もやらない、知らなかったら、できないでしょう。
そういう意味では、
流行りのものを着れば何となくよく見えるシルエットよりも、
色のほうが難しいと思います。


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2017年4月27日木曜日

WEB記事情報

こちらに新しい記事がアップされました。
3色ルールについてインタビュー形式で書いています。
(かおりちゃん、ありがとう。ちょっとバカっぽくして、ごめん)
よろしければご高覧下さいませ。

明治時代のハイパーミックス

横浜美術館で開催中の
ファッションとアート 麗しき東西交流展」へ行ってきました。
これが想像以上によくて、
示唆に富んだよい展覧会でした。

明治が始まるちょっと前からの展示なのですが、
横浜が貿易の拠点だったということもあり、
日本から生地や室内着が輸出されていた、
というところから展示はスタートします。
ここから明治に入って、急速に西洋の文化を吸収していくわけですが、
明治30年になると、もう立派なドレスが作れているから驚きです。
生地や刺繍の技術は日本にもあったと思うのですけれども、
パターンと縫製はどうしたのでしょうか?
それについては特に記述はありませんでした。

面白いのは着物と洋装のハイパーミックス。
着物の下にスタンドカラーのチェックのシャツを着て、
足元は靴。着物も柄ものです。
柄と柄、多色、しかも文化をミックスって、
それは現在のハイパーミックスと同じではないですか!
そんな浮世絵が何点かあり、
そのほかにも着物にリボンとネックレスとか、
どんどん取り入れていく貪欲さが面白い。
考えたら、着物だって、呉服ですから、輸入物です。
それが西洋にかわったってだけですから、
同じと言えば同じ。

この展示、西洋のアールヌーボーからアールデコにかけてのものも何点か展示されていて、
ポール・ポワレ、ヴィオネ、そしてフォルチュニュイのドレスなど、
服飾史に出てくるドレスの実物が展示されています。
シャネルも1点展示されていましたけれども、
クオリティや価値の高さはポワレ、ヴィオネ、そしてフォルチュニュイです。
(シャネルは有名だけれども、この展示の中では見劣りする)

ティファニーやラリックなんかもあって、
アールヌーボーとアールデコ、そして日本の刺繍や装飾との
全く違和感のない融合の姿を見ることができます。

これを見ていて思ったのは、
こんな過去があるのだから、必ずこの上には発展の道はあるということ。
ただ今は、随分とずれている。
この時代、一生懸命に考えたり、作ったり、着たりしていた人たちが、
150年後はもっと素敵なはずねと思って、
いきなり現在の渋谷の交差点につれてこられたら、
「あれ?想像してたのと違う・・・」と思うでしょう。

展示を見た後、
そのまま、横浜の洋館が点在しているエリアに行きました。
すると、あの時代の人たちのリアリティをはっきりと感じることができました。
あれを本当にここで着ていたのだと。
そして日々、美しく暮らすために、みんながあれこれ工夫していたのだと。
衣食住そろって、その上でおしゃれなんだと。

今ちょうど横浜市が街の緑化フェアをしていて、
至るところに花が植えられて、街全体がカラフルです。
毎日こんなだったら、さぞや着るものも変わるでしょう。
なぜならシーンがそうだから。

街が美しくて、住まいが美しくて、それで人の装いも美しくなるのかなと、
なんだか当たり前のことを感じた1日でした。

時間がある方は是非、行ってみてください。
そして、写真の常設展示の中にあるタルボットの「レイコック・アビ―」は必ず見ること。
写真の歴史上、重要な写真です。何気なく展示してあるから、知らない人はスル―しそうでした。



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2017年4月26日水曜日

スタイリストではないです

どなたか「スタイリスト小林直子」で検索している方がいらっしゃいますけれども、
私はスタイリストじゃないし、
スタイリストだとしたら、名字を間違って検索しているのでしょうね。
どっちにしても全然違います。

スタイリストと作る側、
私は全然違うと思います。
編集と作家ぐらい違う。
それは同じなの?
違うでしょ?

スタイリストさんは、大きなバッグを持って、
プレスルームを回り、いろいろ集めてくるわけでしょ?
作るほうは、プレスルームがあるほうの会社の人だから、
立場が違います。
貸してくださいとお願いに行き、
では、好きなものをどうぞと受け付ける。
この両者は立ち位置が全然違う。

で、ときにスタイリストさんはコネを作り、
そこのものばかりを借りて、
ついに、そこのものを委託されて売り始めます。
最近はそういう方が多いのではないでしょうか?
なぜそれをやるかというと、
マージンが入るからです。

どなたかが有名スタイリストさんのファンだったそうで(過去形)、
ブログでお勧めするんだけれども、
そのスタイリストさん自身は全然着ている様子がないんですと
私に訴えてきましたけれども、
そりゃ着ないでしょうよ。
だって、売ってマージンをいただくのが目的だから、
自分はもっといいものを着ていると思いますよ。
エルメスだの、シャネルだの。

でもそういう関係ができてしまうと、
本当のお勧めでもないだろうし、
自分が着るものともどんどん離れていくと思うのですね。
中立の立場を保ちたいのなら、
「暮らしの手帖」のように、広告なしじゃないと無理でしょう。

また服作りがわからないスタイリストさんもいるというのは、
雑誌のコーディネートを見れば明らか。
私もとある有名スタイリストが作った雑誌のコーディネートの写真を、
「これでブンカにいたら、先生にはたかれ、進級できないレベル」と説明しています。

そんなわけで、私はスタイリストではありませんという話でした。

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2017年4月25日火曜日

お金がないことを逆手にとって

明らかに、今の若い人たちはお金がないです。
ファッションはお金で解決できるものですが、
それがなかったらどうするか。
工夫する以外ありません。
そして工夫するためには、頭を使わなければなりません。

最近、私が住んでいるエリアに若いアーチストとかその他が住み始めたという情報は
聞いていたのですけれども、
実際にあんまり見たことはなくて、
本当にそんな人たちがいるのかどうか疑問でした。

しかしよく観察していくと、
それらしい人たちとたまにすれ違うことがあるということがわかりました。
駅前でいつだか真っ赤なフィールドジャケットを着ていた20代と思われる男子ですが、
先週だったか、スナフキンみたいな帽子をかぶっているところと駅前ですれ違いました。
あの人は普通の人ではないですね、たぶん。

で、きのうです。
駅へ行く裏道を歩いていたら、
茶系のカーキとフォレストグリーンの2色で歩いてくる、これも20代とおぼしき男子と
すれ違いました。
なかなかいい色合いだなと思って見ていたのですが、
すれ違い様、彼のイヤフォンが自分のそのフォレストグリーンのジャケットと
全く同じ色だということに気づきました。
おぬし、なかなかやるな。

彼ら、たぶんお金はあんまりない男子たちですけれども、
ものすごく工夫しておしゃれしているのがわかります。
たぶん、代官山なんかにいるようなきらきらした感じはないけれども、
色とかシルエットで工夫している。
お金がないことを逆手に取って、
自分の頭で考えて勝負です。
なんてすばらしい。

日本はこれからいつ景気が回復するかわからないし、
もう景気回復なんてないかもしれないのだから、
これからはこういった、
自分の頭で考えていく人たちがリーダーの時代になるでしょう。
まだまだ少数派だとは思うけれども、
引き続き、頑張ってほしいなと思います。

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2017年4月24日月曜日

舞台とその宣伝

先日、役者のクライアントさんが来たので雑談で、
去年、私はこういう企画をして、400人キャパのところへ何人ぐらい来て、
収支はこれぐらいだったというお話をしたところ、
それは全然いいと、褒められました。
私は、これってどうかなと思っていたのですが、
全然ましだそうです。

まあ、この前の「ラ・ラ・ランド」にも出てきたとおり、
舞台に立って、客電がついたら、客席は知り合いばっかりだったという、
あれです。
ハリウッドだって、そうなのだから、私だってそんなものです。

いつごろからか、
人生は経験と思うようになって、
そこに成功とか、失敗とかあんまりなくて、
要は行動したか、行動しなかったか、それだけなので、
金銭的、肉体的及び精神的にダメージを受けない限りは、
それでいいとしています。

去年だって、
市民会館を借りる手続きとか、
宣伝の仕方とか、その他もろもろがわかるようになって、
内容どうこうよりも、それはそれでよい経験と知識になったのだから、
とてもよかったわけです。

ただ、もちろん反省はあります。
あのとき、テノールの方に楽屋でチラシについて聞いたのでした。
チラシってどれぐらい効果があるのか、と。
そうしたら、チラシなんてほとんど効果がなくて、
1000枚配って2、3人来ればいいほうというお返事がありました。
なんですって?
先にそれを教えてちょうだい。

実は私もチラシの効果を全く感じていなくて、
内容のお知らせ以外の意味ではほとんどいらないのではないかと思っていたところだったので、
もう何回もやっている方がそう言っているのだから、
それは本当にそのとおりなのだと思います。
つまり、来る気のない人不特定多数にチラシをばらまいても、
拾えるのはほんのわずか。
1000枚で2,3人だったら、1パーセント以下。

ちょうど先週、私の本の予約開始だったので、
ブログで告知したところ、多くの方にご予約いただいたようです。
あれはブログのみの告知です。
一切のSNSを使っていません。
つまり、買う意欲のある人に宣伝しないとだめなわけね。
不特定多数の人にまくチラシとSNS、
相当に拡散しないと効果はあまりないのではないかと感じています。

さて、そんな自主プロモーション活動の一環として、
6月4日、私が会場を借りてトークイベントをやることにしました。
当初は、私の得意な口から出まかせトークをやろうと思っていたのだけれども、
いや、それでは面白くないなと思って、
ボディを使っての3色ルールの実演をしようかと考えました。
そのことをクライアントさんにしたら、私が自分でやったらどうかと提言されました。
最初、それは無理って思ったのですけれども、
無理ではなさそうです。
無理ではないばかりか、あれもこれもとか、
次々とアイデアが浮かび、今とても楽しくなってきました。

そんなわけで、本邦初公開、私がみんなの前で脱いだり着たりしながら
3色ルールとリレーションの実演をしますので、
6月4日(日)、よろしかったらご参集くださいませ。
クライアントさんを優先で入れます。
条件は本持参ね。
募集開始は1カ月前にしますので、
よろしく。

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